2023年1月
東京(成田)発香港行きHX611便にて香港航空A330ビジネスクラスに搭乗しましたので紹介します。
香港航空(HX)のビジネスクラスは既にこちらで紹介済みですが2019年のコロナ前の記事であるのと、当時は旧式シートの機材の紹介でしたので今回新しい記事として出すことにしました。
さて、本来はもう少し日本を楽しめる予定でしたが大晦日に会社から呼び出しが掛かり、正月いっぴから航空券を探すという嬉しくない作業に当たっていました(泣)
仕事柄、次の帰国がいつになるか分からないため往復航空券は買えません(買えることは買えますが、安いビジネスは変更不可だったり手数料が掛かり、ほぼほぼ支払うハメになります)。また、次の帰国は香港からではない可能性の方が高く、結局払い戻し手数料などを考えるとトータルで割高になってしまいます。自分としては色んな会社を試したいというのもありますからね。
検索すると、日系やキャセイは片道でも往復とほぼ同額の20万円台から。国や会社によって傾向というのはありますが、日系や大手は片道だけではなかなか売ってくれませんね。
しかし、HXは燃油サーチャージ各種税込みで片道69,000円。ビジネスとしては破格です。自分の戻りの日付とも合致し、これは素晴らしと予約することにしました。
さて、早速成田空港です。東京駅から1,300円バスで到着すると第1ターミナルの南ウイングで降ろされます。香港航空のチェックインカウンターは北ウイングの「F」ですので空港内を少し歩く必要があります。
到着すると長蛇の列。幸いビジネスクラスは専用カウンターがあり前に1人いるだけですぐ順番がやって来ました。
チェックインが済むと搭乗券とラウンジの招待券をくれます。そして保安検査も優先レーンが使えます。
掲示にある通り、このファストトラックはスカイチームのファーストクラス・ビジネスクラス・マイレージ上級会員だけでなく、エアカラン・香港航空・エティハド航空・中国南方航空のビジネスクラス搭乗者も利用できます。
そしてHXのラウンジは「成田プレミアラウンジ」。場所は15番ゲートの近くにあります。ちなみに搭乗ゲートは26番で、出国審査を出るとゲートは左方向、ラウンジは右方向とゲートとは反対へ向かうことになります。ラウンジの詳細は別記事で紹介してますので、こちら☟をご覧下さい。
さて、それでは早速機内です。A330のビジネスクラスは1‐2‐1配置のスタッガードタイプ。よって窓側は窓寄りと通路寄りの2種類があります。
こちらが通路寄りのシート。
そして窓寄りの座席。
今回は窓寄りを確保できました。
座席には既にブランケットと枕がセットされています。
うーん、第一印象は「汚なっ(苦笑)」
座席は古さや傷みが目につきますね。これは新調しないと、ヤバいでしょ…。よくこれで営業路線に投入してるな、ってレベルです。
そして中央の2席は内寄りと外寄りが交互に配置されています。
内寄りの2席。
外寄りの2席。
座席周りを詳しく見てみましょう。
足元はこんな感じ。
サイドテーブルの下には座席コントロール、リモコン、ひじ掛けそして小物入れがあります。
この読書灯、経年劣化でへたってきてるのか、しな~と下に垂れてきます…。
メインテーブルは張り付いているのを降ろして展開するタイプ。
前後に動かせるので、開いたままでも座席を立つことはできます。
そして座席ポケットの中身は安全のしおりとエチケット袋のみで機内誌はなし。コロナ禍で機内誌を中止・廃止した会社は多いですね。もう昔の産物になるのでしょうか。
席に着き、周りの搭乗もほぼ完了してしばらく経ちますが、待てど暮らせどウエルカムドリンクやおしぼりのサービスが来ません。
あら?出発が遅れるのかな?
などと思ってるとドアクローズ。そしてプッシュバック開始。
そして安全のビデオの放映も終わり、滑走路へ向けて動き出します。
このあたりで薄々感じてはいましたが、どうやらコストカットのようですね(笑)
そして機内食のメニュー配布はなしで、カラー印刷をラミネート加工した1枚紙を見せられ「どちらがよろしいですか」とCAさん。
印刷物も極限までコストカットのようです(笑)
さて離陸します。前方の座席の良いところは、座席が前輪よりも前に位置するため滑走路に入る時、このような滑走路全景が見えるところです。
そして離陸。
毎度日本を旅立つ時に狙ってる、空から富士山を拝む行事。
今回の成田周辺は晴れ。。。
富士山周辺はどうでしょうか。。。
見えてきました。
おおー、素晴らしい。今回は天候に恵まれ、見事成功。
さようなら、日本。また無事に帰って来れますように…と富士山に祈ります。
巡航高度に到達し、ベルト着用サインが消えるとCAさんらは食事の準備に掛かります。
まずは頼んでおいたお茶が来ました。特にテーブルクロスなどはなし。
そしてほどなくして朝食が運ばれてきました。
まあまあ、悪くない感じですね。パンは数種類をバスケットに入れて好きなものを選べるのが普通ですが、こちらはビニールに入ったもの一つが始めから載せてあるだけで選択肢はなし。
カットできるところはとことんカットする感じですね。
と、個人用画面が暗くなり急に反応しなくなりました。
ん???
CAさんを呼び止めて聞きます。
「すいません、画面が反応しなくなったんですけど…?」
「それが…、ただいま故障中でございまして…」
「じゃあ、再起動するんですか」
「えぇ。。。それが故障中でして。。。」
うーん、いまいち嚙み合わない会話ですが、とりあえずシステムを再起動するなどすれば直るので待ちましょう。
食事が終わり、トレーが回収されてあとはお茶とチョコレートで一服します。
あれから20分ほど経過しましたがいまだに画面が復活しません。周りを見ても真っ暗なまま。
もう一度CAさんを止めて聞きます。
「エンタメは回復しない感じですか?」
「ええ、システムが故障しているようで、今回はサービスを提供できません。。。」
おーい。
これは今回たまたまだったのか、それとも毎回「故障です。。。」で済ませてるのか知る由もありませんが、これはよろしくないですね。
ということでやることないのでフルフラットにしてあとは寝ながら携帯をいじります。
とりあえず「イスも故障してます。倒れません」でなくて良かった…(笑)
周りも寝てるか、携帯やタブレットをいじってるかですね。
食事を済ませれば残りの飛行時間も3時間程度。短い国際線です。
しばらくして外を見るときれいな夕焼けが。
時間とともに色が変わる飛行機からの空は何度見ても飽きませんね。
と、「まもなく降下の準備に入ります」のアナウンスが流れます。
あら?こんな時だけ画面が戻ってきました(笑)
そして機内の照明も明るくなります。
機体は高度を下げ始め、しばらくすると香港の夜景が見えてきました。香港の街が東風の場合、香港島上空を通過して香港の西にある空港へぐるっと周って着陸を行うため、機体の右側に香港の中心部が見えます。富士山を見た上に香港の100万ドルの夜景も楽しめる、1度で2度おいしいフライトです。
ちなみに赤で示したところが市街地スレスレを急旋回しながら着陸するいわゆる「香港カーブ」で有名だった啓徳国際空港(旧香港空港)の跡地です。昔はこんな街のど真ん中に飛行機を降ろしていたことを考えるとすごいですよね。
手前が香港島でビクトリアハーバーを挟んだ向こう側が九龍地区です。手前の香港島も中心部が暗くなってるのはビクトリアピークで山になっているからです。有名な香港の夜景が見れる山頂ですね。
そして機体は無事、香港国際空港へ着陸しました。
【総評】
香港航空はコロナ以前からずっと経営難が言われてきました。それでもコロナ前はキャセイに負けず劣らずのサービスをお手ごろな価格で提供する、とても魅力のある航空会社でした。
しかし、今回ちょっとハード・ソフトともに残念なフライトとなりました。
ただ、香港航空から言わせれば「だって俺たち全然飛べなかったんだもん」となるでしょう。そうなんです、香港がほかの国と異なるのは「国内線が無い」という事なんですね。つまり感染症が広がり国境が閉じると「国内線の稼ぎでなんとかしのぐ」という他国で出来る芸当が出来ないのです。日本以上に航空業界は大、大、大打撃、という訳です。そういう意味で安全に運航する最低限以上の投資が出来なかったこの3年、というのはあるでしょう。
ちょっとこれは「胸を張っておススメ」出来るビジネスクラスではありませんね。ただ、自分のように片道だけで良い人、直前まで決まらない人、映画やエンタメは要らないから安く快適に移動したい人、には利用価値はあるといった感じでしょう。
自分の中でも「まあいいかな、安ければまた利用するかも」といった位置づけです。
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【昔はこうだった☟】