2019年7月
バンクーバーを拠点としてブリティッシュコロンビア州内を水上飛行機で結ぶハーバーエア・シープレーンズ(Harbour Air Seaplanes)のバンクーバー市内遊覧飛行に搭乗しましたので紹介します。
カナダはその広大な国土のうち、陸路で到達が困難な土地また、湖や河川が多い土地にその多くを覆われているため、水上機が最も発達した国のひとつです。ここバンクーバーもビクトリアやナナイモなど、鉄道や車で直接向かうことができない地域に囲まれているため、水上機が日常の交通手段のように気軽に利用されています。
今回は通常の定期便とは別に行われている遊覧飛行を利用することにしました。実は、この遊覧飛行、2016年の夏にすでに体験済みです。その時でも充分に感動するものでしたが、今回(遊覧未経験の)同僚らとその話になり、是非やってみたいとHPで料金を調べてみることにしました。
3年前のため記憶が定かではありませんが、20分の遊覧で150カナダドルぐらい支払ったと思います。
そんな感覚でHPを調べてみると…
「サマーセール。全ての便に$50のスペシャル料金を設定中。各便最大4席まで!」
とあるじゃないですか。
しかしこういうのは『売り出し直後に即完売』のパターンですからまあ当日なんて空いていません。そう思いながら朝食を食べ終えた11時頃に同僚たちと調べたところ…、なんと15時の便が空いているではありませんか。
半信半疑ながらも興奮を押さえつつ、急いでオンライン予約に突入します。
「予約完了。ありがとうございます。3人で150カナダドルです。」
取れちゃいました。しかも1人たったの4,000円…。3年前の3分の1の値段です。
ということでバンクーバーハーバーの水上機離発着場へ向かいます。
ハーバーはデッキになっていて何階層かありますが、チェックインなどが行われるターミナルは最も下の階にあります。デッキに着いた場合はエスカレーターや階段で降りましょう。
こちらがチェックインカウンターとラウンジ。最終便が終了した後に撮っているので誰もいませんが、営業時間中は多くの人で混み合います。
ハーバーエアは定期便も飛ばしているので、遊覧ツアーはこちらに並びます。
チェックインは名前と出発時間を言えば、支払いを済ませるだけで簡単に済みます。ただ、この時に搭乗ゲートと時間を言われます。これを忘れないようにしましょう。「ゲート1に15:10に来てください」という感じです。
集合時刻まではラウンジで飲み物を買ってゆっくりしてもいいですし、外で水上機の離着陸を眺めるのもおススメです。
ひっきりなしに軽快なエンジン音を響かせ、離陸していく水上機をまじかで眺めるのは日本ではなかなか経験できない光景です。
心地よい海風と海鳥のさえずりも重なり、本当に癒されます。
さて、指定時刻にゲート前で待っているとパイロットが現れ、他のお客さんらと一緒に桟橋へ下ります。
給油や整備スタッフがせわしなく動き回るなか、水上機の間を歩いて搭乗機へ向かいます。
本日の飛行機はこちら。小型機とはいえ真近で見ると結構迫力があります。
ちなみに座席指定などはありませんので、早い者勝ちで席順は決まります。自分の同僚は早速機長に話し掛け、コックピットの空席に座れるか聞いています。そうです、操縦室には席がふたつありますがパイロットは1人なので許可さえもらえれば操縦する横に座らせてもらえるのです。
ということで機内に入ります。配列は1‐2。
操縦室にはドアもカーテンもないため、最前列であればパイロットの様子が手に取るように見えます。
全員が搭乗するとドアが閉められ、機長の挨拶に続きiPadによる安全ビデオを見せられます。
座席ポケットには安全のしおりも完備。
シートピッチは最前列にも関わらず、LCC以下(笑)
ハーバーエアの就航図そして保有機材です。
バンクーバーを拠点にビクトリアやウィスラー、そしてジョージア海峡内の各水上飛行場に就航しています。
機材は6人乗りのデハビランドDHC-2「ビーバー」、14人乗りのデハビランドDHC-3「オッター」、18人乗りのデハビランドDHC-6「ツインオッター」そして9人乗りのセスナ社製「キャラバン」も1機所有しているようです。
安全のビデオが終わると飛行機は桟橋を離れ、エンジンスタート。離陸へ向け、湾内中央へと向かいます。
バンクーバーのビル群を飛行機の窓から見るという不思議な光景です。
飛行機は離陸すると湾内に沿って上昇し、北上します。
パイロットの操縦の様子も真近で見れます。
その後、飛行機は東に向かい、ノースバンクーバーの山々を横切ります。
そしてインディアンアームという細い湾を南下してダウンタウンへ戻ります。
ここには多くの別荘やキャンプ場があり、それぞれヨットやボートで乗り入れる桟橋がたくさん伸びています。
自分もこういうところでゆっくり夏なんか過ごせたらいいなと思います。
ディープコーブを抜けると、市街地に戻ります。しかしここらの地価は相当なものでしょう。庭付きプール付きの豪邸が多く見えます。
そして飛行機はダウンタウンの真上を通過します。奥に見えるのがスタンレーパーク。
飛行機のどちらに座ってもダウンタウンが見れるよう、ダウンタウンを通過しきると180度折り返してくれます。
そうすると今度はバンクーバー国際空港が遠くに見えます。
そしてバンクーバー湾に向けて降下を開始し、軽い着水の衝撃を受けながら無事に20分のフライトを終えました。
【総評】
今回は特別料金に恵まれたということもありますが、それでも正規価格でも充分に価値があるもので、水上機に乗ったという土産話にもなり、バンクーバーに来たら絶対におススメのアクティビティです。
パイロットも気さくでフレンドリー、飛行機の前で一緒に写真を撮ってくれたりと良い思い出になることは間違いありません。
夕暮れに羽を休める水上機たち。日没時の散策もおススメです。