2020年6月
日本ではほとんど認知されていない中国の宅配便大手SF Express(順豊エクスプレス)。中国本土や香港在住者は目にすることも多いと思いますが、はたして信頼できるのか不安。今回、詳しく紹介します。
前回の記事で紹介しました順豊エクスプレス(順豊速運)。日本では聞きなれない会社ですが、中国本土と香港では外資系他社のフェデックスやDHLに並び、物流の最大手です。自分がこの会社の存在に気付くようになったのは、黒をベースにした(中国らしからぬ)シックなデザインの配送トラックを街中で見るようになってからです。
黒地に赤のドットとストライプ。何気にこのデザイン、好きです。
配達員もかなり頻繁に見かけ、さながら日本のヤマトや佐川急便といった感じです。
今回はこの会社を詳しく紹介しようと思います。なお、中国の会社ですが香港での状況を紹介します。
まずはその営業所の数です。
元々、香港は東京23区の2倍弱(しかも人が住んでいる平坦部はその1/4)しかない狭い都市ですが、数百メートルから1㎞置きには営業所があります。
ちなみにフェデックスの営業所はこんな感じ。
営業所の隣に住んでいない限り「フェデックスで荷物送ろう」とはなりませんね。
しかもSFは夜8時まで営業しているのに対し、フェデックスは6時、郵便局は4時か5時に閉まってしまいます。ここも地味に優秀です。
営業所の数は多いですがどこも間取りが狭く、片面を窓口、もう片方を荷物の仕分けに使う設計です。賃料の高い香港ならではの経費削減方法ですね。
そのため、いわゆるガラス戸を開けて店内に入る、という設計にはなっていないところがほとんどです。お店に行ってから宛名書きしようとすると「アプリでやって、どいて」とぞんざいに扱われます(窓口が一つなので一人ひとり丁寧に対応してくれません)。持ち込む際は事前にアプリで済ませておきましょう。
雨よけなど無いので急な雨が来ると、ずぶ濡れになりそうな営業所の設計ですが…。
さて、自分は何も分からず、取り敢えず店舗へ向かいました。そうすると前述の通り「アプリでやって、どいて」と邪険に扱われました(笑)
ということでアプリをダウンロードします。
店舗の窓口にはQRコードが付いた小さなシールが置いてあります。それを送る荷物個数分取ります。
そしてダウンロードしたアプリを立ち上げ、下のメニューの「Ship」から「Scan & Ship」をクリックします。
そうするとスキャナーが出るので先ほどのQRコードをスキャンします。
そうすると宛名書きが出ます。
①差出人の名前・住所入力
②送り先の名前・住所入力
③集荷の場合の集荷希望時間
④荷物の品目・金額
全て入力すると大体の金額まで出してくれます(ただこれは概算で実際と異なる場合があります)。
これが済むとカウンターでアプリを見せ、受付・料金の支払いとなります。
時間がある時に窓口でQRコード付きシールをたくさん貰っておけば、家や職場でアプリ入力し、あとは集荷または持ち込むだけ、という手軽さです。何かをプリントアウトしたり、面倒な書類作業もありません。
しかもトラッキングは他社のように「トラッキングナンバーを入力して検索」などする必要がありません。店を出た直後から、アプリ上に全ての追跡状況が表示されます。
しかもこのアプリのスゴイところ。それはある日、上海に住む友人から「荷物送ったね」のメッセージが来た時でした。
その時は「了解~」程度で済ましていたのですが、翌日携帯に突然、通知が来ました。
「本日荷物をお届けします」
「ん?」なんでこんな通知が?と思い、通知を開くとSFエクスプレスのアプリが起動。
なんと、トラッキングナンバーも何も入力していないのに自分宛の荷物情報が既に入っています。しかも配達員の名前と電話番号入りでこちらから連絡まで入れられる仕様。
友達曰く「あ、トラッキングは電話番号で紐付けられているから特段追跡番号なんて入れなくていいんだよ」とのこと。
うーん、ここらへんは日本より進んでいますね(個人情報の問題はありますが)。
ということで、何かと便利なSF。使うまでは分かりませんでしたが、使い勝手が分かれば便利で早い。そして料金も割安と、これからは日・中・香港間の配送の選択肢の上位になり得るかな、と思いました。
そして最後に。
実はSF日本語サイトにはチャットによるお客様対応機能があります。香港から送付する前、果たしてどれぐらい掛かるのか問い合わせてみました。
担当者が出るまでは表示が全て中国語で心配でしたが、日本語も対応してくれます。ただ利用した感想は、サポートはかなり緩めな印象。例えば荷物が届かない、返金して欲しいなどのアクションが必要な個別の事案にどこまで対処できるかは不明です。
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