アムトラック カスケーズ号 乗車記【車内車窓編】

2019年7月

バンクーバーからシアトルへの移動のために、アムトラック鉄道公社運行のカスケーズ号(Amtrak Cascades)に乗車しましたので紹介します。

 

さて、前回のその1に続き、今回は車内の設備と車窓からの絶景を紹介します。

 

Coach(コーチ)と呼ばれる一般客席は2‐2の座席配置で、その1で紹介した通り車内中央にあるテーブル席を中心に座席が中央を向いています。

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車両の両端には荷物置き場があり、大型のスーツケースでも置いておけるスペースが確保されています。

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座席ポケットには機内誌ならぬ車内誌(?)と安全のしおりが入っています。

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隣席とのアームレストの下にはコンセントがあります。

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その反対側にはリクライニングのボタンとオーディオサービスらしきチャンネルコントローラーがあります。

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リクライニングは座面が前にスライドするタイプで背もたれが後ろに倒れないので、後ろの人に影響を与えません。

 

そして車掌からアナウンスがあり、トイレのある車両番号や「無料Wifiサービスはアメリカ国内に入らないと利用できない」旨などが案内されます。

 

そしてドアが閉まり出発。最初の10分程はかなりの低速運転で大丈夫か?と心配になるほどでしたが、しばらくするとスピードを上げ始めました。

さて、せっかくなので早速車内を歩いてみることにしました。

 

特定車両にのみあるトイレ。意外にキレイですね。なんか宇宙船のトイレのようです。宇宙船に乗ったことありませんが。

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車内両端には現在地や速度の表示があります。時計は明らかに間違っていますが。

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そしてこちらがビジネスクラス。座席配置が1‐2で一般客席より広々しています。

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座席も革張りです。

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そしてこちらが食堂車。

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メニューはこちら。

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食堂車と言っても残念ながらシェフが腕を振るって料理を作ってくれるわけではなく、すべて電子レンジでチンです。

ハンバーガーとポテトチップスをオーダー。レンジでチンとは言っても列車の中で食べる朝食は格別です。

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ちょうどハンバーガーにかぶりついているとブリティッシュコロンビア州の美しい緑が車窓いっぱいに広がります。

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うーん、これこそ鉄道旅の醍醐味。眠い目をこすってやって来ましたが朝の便を選んで大正解です。

 

食堂車の半分はダイニングテーブル席に割かれていて4人席、2人席、そして端っこに1人席があります。

基本は食事をオーダーした人が座るところでしょうが、何人かは何もオーダーせずに座っていて、車掌も細かいことは言わない様子でした。

隣のお兄さんはコーヒーを買ってパソコンに勤しんでいます。

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さて、食堂車で朝食を取っていると車内アナウンスがあり「まもなくアメリカ入国駅に到着します。ここでは入国管理官の指示により全ての乗客が指定された座席に着席し、トイレや食堂に居たり、歩きまわったりすることはできません。また入国審査が終了して列車が動き出してもアナウンスがあるまでは立たないで下さい」と注意事項の案内があります。自分も自分の座席に戻ります。

駅に着くと4人の入国審査官が「国境警備官です。税関申告書と身分証を提示しなさい」と大声をあげながらまるでSWATがなだれ込んでくるように車内に入ってきます。座席に着いたまま一人ひとりに入国の目的や期間を聞かれますが、一人当たりに割かれる時間は10秒ほどです。

自分も「入国目的は?」「ビジネスです」「職業は?」「〇〇です」「滞在日数は?」「2日です」で終了しました。

 

入国審査を終え、列車は再び走り始めました。自分はまた食堂車に戻ります。

テーブル席に座りながら流れゆく美しい景色を見ていると、日ごろの疲れが吹っ飛び、心が洗われます。ここからは車窓の様子をお見せします。

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列車はこのように海あり、草原あり、農耕地帯ありの美しいワシントン州のなかを走り抜けていきます。

ところによってはこのような波打ち際ぎりぎりを走ったりで迫力満点です。

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カナダで週末マウンテンバイク三昧して帰る途中だという前席の若者4人組も思わず景色に目を奪われています。

 

ちなみに出発後の席の移動は比較的オッケーで、車掌さんに許可もらって自分は進行方向向かって右側(西側)に移動しました。左側に比べて景色の良さや変化に富んでいて、座るのであれば西側がおススメです。

4時間ちょっとの列車の旅でしたが、気付けばもうシアトルへ到着です。時間がこれだけ短く感じるのもすごいことです。これがLCCで4時間だったら苦痛ものでしょう(笑)

 

シアトルはターミナル駅なので、バンクーバーで想像した「アメリカの鉄道の駅」って感じ満載です。そう、これを想像したのです。

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長いようで短かった列車の旅もここで終了です。

 

【総評】

さて、アメリカで鉄道の旅をしたいとお思いの方は意外に多いのではないでしょうか。でも多くが数日から1週間掛けないとできないようなルートなどでなかなかそんなに時間を割けない、と躊躇している人も少なからずいると思います。

このルートは1日、しかもたったの4時間で美しいアメリカを楽しめるとても素晴らしい路線だと思います。食堂車で優雅なフルコースなどは楽しめませんが、短時間でお金を掛けずにサクッと出来てしまう。時間が長いと退屈してしまいそうな夫婦、カップル、友人でも全然そのような心配は要りません。バンクーバー、シアトル共に日本から直行便があり、観光するにも見どころが多い2都市でスケジュールに組み込みやすいのも大きなメリットです。

たった77ドルでこんなアメリカの雄大な景色が楽しめるのですから、アムトラック鉄道の旅「カスケーズ号」はかなりおススメです。

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