2018年3月
ドバイ発香港行きエミレーツ航空EK380便(A380‐800型機)にてビジネスクラスに搭乗する機会がありましたので紹介します。
今回の搭乗は前回の香港→ドバイ線の復路分となります。前回の機材がB777だったので1回の出張で2つの違う機種をお試しできる理想的な往復です。
B777との比較にもなりますので前編を読まれてない方はまずこちらをご覧下さい。
さて、前回同様ファースト・ビジネス利用者には指定の送迎場所からドバイ空港までの無料送迎がつきます。滞在場所のJWマリオット マーキス ドバイまでお迎えに来てもらいました。
公式HPによるとBMWによる送迎とのことですが、今回はVolvoのV90です。車種は違っても快適この上ありません。しかも自分ひとりに配車ですので乗り合いなんてことないのも素晴らしいですね。送迎に関する詳細はこちらをご覧下さい。
空港に到着するとファーストクラス・ビジネスクラス専用ターミナルに車を付けてくれます。さすがEK本拠地、専用ターミナルは素晴らしいですね。
さて、チェックインへ向かいます。チェックインカウンターの数もかなり多く用意されていますが、カウンターごとにならぶ個別整列方式をとっているので、自分の並んだ前のお客が手間取ると「両隣のカウンターは列が進むのに自分だけやたら待たされる」状態が発生します(いわゆるスーパーのレジ・ジレンマですね)。ファースト・ビジネスなのでエコノミーのようにひとつの行列レーンを作りたくないというEKの方針なのかも(?)しれませんがこれは自分としてはストレス溜まります。幸い、カウンター数が多いのでどこも待ち人数は1人程度だけで3分程で自分の番が来ましたが。
さて、出国審査を抜けラウンジに向かいます。
奥に長いラウンジはセクションごとに地中海料理、アジア料理、中東・ウエスタンという風に分かれています。
自分が到着した時間帯は出発便が輻輳していたためか、ラウンジはごった返しダイニングカウンターには長い列ができていました。大学の学食のような雰囲気でビジネスクラスラウンジとしてはちょっとカオスでした。
しかし朝食を終える頃には人もはけてきて、落ち着いた雰囲気になりました。
それでは機内へ向かいます。A380型機のビジネスクラスは全て2階に設置されており、1‐2‐1配列です。
ちなみにEKのA380型機ビジネスクラスの「窓側」は全て1人座席ですが
「窓側の窓側」と「窓側の通路側」が存在します。
「窓側の窓側」は通路側にテーブルがくるため座席がより窓に近くなり、そして通路から離れるためプライバシー・個室感が上がります。
今回利用した「窓側の窓側」座席。
「窓側の通路側」はその反対で窓側にテーブル、通路側に座席がくるため、個室感は下がります。
アプリの座席指定図を見ると分かりやすいと思います。
偶数列が通路側で奇数列が窓側・・・かと思いましたが13列(欧米では不吉な数字)が欠番となっているため、そこから逆になります。分かりやすいのはA・K席が窓側の窓側、B・J席が窓側の通路側です。
しかし、やはり窓側の窓側のほうが圧倒的に人気なため、搭乗2週間前の時点で窓側の窓側は全て満席…。搭乗日まで毎日チェックしていましたが全く動かず-空いているのは通路側ばかり…。それが搭乗5日前に突然ひとつ空いたため速攻指定。なんとか窓側の窓側を確保しました。
さて、窓側の窓側が窓側の通路側に比べて断然良い理由はその個室感だけではありません。
窓側の窓側が良い理由<その2>
A380の機体断面はビジネスがある2階席から下の1階席に向けて膨らんでいるため、側面下に向かって空間ができます。座席を窓横に設置すると当然膨らみの部分に余分な空間ができるため、そこを埋めるために荷物収納棚が設置されています。窓側の窓側はこの収納棚2つを一人で独占利用でき、またその収納力がハンパありません。
座席に座ったまま自分の荷物にアクセスできますし、蓋を閉めるとその上に新聞や携帯を置くなど、使えるスペースが広がります。
ところが、通路側の窓側だと2つのうち1つはかろうじて使えそうですが、テーブルを跨いで入れることになり、重い荷物だと出し入れに苦労しそうです。2つのうちもう一方は後ろの席のモニター等がせり出しているため、全くアクセスできません。
窓側の窓側が良い理由<その3>
次に窓側の窓側に特筆すべき利点は、テーブルが通路側にあるため写真のように不要な物は、置いておけば客室の方に声を掛けずとも回収してもらえるという点です。
ビジネスクラスなのでそれなりのサービスはしていただけますが、日系のようにきめ細やかなサービスではありません。通路は通るけども一人ひとり細かに目を配るという感じではありません。こちらから声を掛けなければ素通りも何回かありました。自分としてはそれなりに会話も楽しみたいけど、何度も呼び止めるのも面倒、そんな人にはこれが楽です。
さて、それではシート周り詳細です。座席はB777型機のデザインとは異なり、オットマンがあります。個人的にビジネスクラスには必須アイテムです。
前回のB777ビジネスのようにレッグレストがせり上がりふくらはぎをサポートするタイプは、いくらそれなりの強度があるとはいえ、グラグラ動きます。オットマンは上げ下げする必要がない上、固定されているのでしっかりとした安定感・安心感があります。
サイドテーブルのモニター操作コントローラー、その下はシェードのコントロールスイッチ、ミニバーそして読書灯関係です。
予めセットされた飲み物はスパークリングウォーター、クランベリージュース、セブンアップ、ペプシコーラそしてミネラルウォーターです。
さて、それでは食事です。今回はマッシュルームスープ・チキンビリヤニ・チョコレートトリュフケーキにすることにしました。
まずはマッシュルームスープから。
メインのビリヤニです。どんっと盛られていてボリュームがあります。
デザートのチョコレートケーキです。
食後はシートをフルフラットにしておやすみモードに入ります。敷きパッドは客室乗務員が持って来てくれます。
4時間ほど寝たでしょうか。日は沈み、機内ともに夜になりました。
夜食としてタイレッドカレーをお願いしました。
あまりの快適さに8時間弱のフライトも短く感じられます。
【総評】
前回のB777ビジネスクラスと比較して、同じ航空会社でありながら快適さは圧倒的にA380の方が勝っています。同じ路線に両機種が投入されていて値段が一緒であれば断然A380の方を選択しますね。その差は歴然です。
ただ、サービスについてはやや考えるところがあります。前回のB777ビジネスクラスレビューでも触れましたが、一部客室乗務員にやる気の無さを出す方がいて、サービスを受ける側としていい気分がしない部分もありました。自分は顔を見てきちんと挨拶やお礼をするタイプの人間ですが、一部、顔も見ない、やらないといけない最低限のことやってさようなら的な担当者が居て、残念でした。たまたま、往路復路共にそういう方に当たった可能性もありますが、エミレーツの路線拡大に人材や教育が追い付いていないのか、現場が疲弊しているのか、客室乗務員の人間関係が悪いのか、いろいろ思うことがありました。
その点、日系、特にJALではそういう方に当たったことがありません。やはり結局は人財、そこに行きつくのかなと思いました。
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